よくある質問
生物学的製剤について
Q:生物学的製剤(バイオ製剤)を処方できますか?
当院は当院は日本皮膚科学会認定『生物学的製剤使用承認施設』となっており、既存治療で難治な乾癬やアトピー性皮膚炎に対する生物学的製剤(バイオ製剤)、JAK阻害剤、TYK2阻害剤を積極的に導入し治療計画を立てております。
- 乾癬:コセンティクス、トルツ、ルミセフ、ビンゼレックス、トレムフィア、スキリージ、イルミア、ソーティクツなど。ほか、オテズラも可能
- アトピー性皮膚炎:デュピクセント、ミチーガ、アドトラーザ、イブグリース、リンヴォック、オルミエント、サイバインコ
- じんましん:ゾレア、デュピクセント
- 掌蹠膿疱症:トレムフィア、スキリージ、ルミセフ
- 円形脱毛症:オルミエント、リットフーロ
- 結節性痒疹:デュピクセント、ミチーガ
- 化膿性汗腺炎:ビンゼレックス
Q:生物学的製剤(バイオ製剤)の治療費はいくらですか?
生物学的製剤は高額となることが多く、高額療養費制度や付加給付制度の対象となります。
年収・年齢・保険によりご負担額が異なりますので下記サイトよりシミュレーションできます。
金属パッチテストについて
Q:金属パッチテストとは何ですか?
金属アレルギーがあるかどうかを検査する方法で、金属の試薬を貼付して、陽性反応が出るかをみる検査です。
2日間貼付して、48時間後と72時間後に陽性かどうかを判断します。
遅れて陽性となることもあるので、最近では1週間後にも再判定します。
Q:どういう時に必要ですか?
指輪・プレスレット等の金属に触れて、かゆくなった経験のある方は、それが「金属アレルギー」だったのか、金属と皮膚の間に溜まった汗や洗剤等の一時刺激による「単なるかぶれ」だったのかを区別するには、パッチテストが必要となります。
また、ピアスを以前あけて、じくついたために閉じてしまい、再びあけたいという方なども、じくついた原因が「金属アレルギー」によるものだったのか、ケアーが悪かったための「単なる二次感染」だったのかを、パッチテストをして判断してからでないと、やみくもに再度あけてはいけません。
また、人工関節手術を受ける方で、金属アレルギーの既往のある方は、手術で使われる金属に対するアレルギーがないことを、検査してから手術を受けることが必要となります。
Q:金属アレルギーのために引き起こされる病気はどんなものがありますか?
代表的なものに手のひらや足の裏に左右対称性に膿疱(うみ)が繰り返しでき、これと共に紅斑(紅い斑点)や鱗屑(カサカサしたフケのようなもの)が現れ、水虫と似た様な症状をしめす「掌蹠膿疱症」という病気があります。
また、口腔内に白い苔のような斑ができる「口腔扁平苔癬」というものもあります。
これらは、歯科金属アレルギーが原因で引き起こされることもあり、それが特定されないまま難治性になっていることもしばしば認められます。
Q:どの病院(医院)でも検査できるのですか?
判定が難しかったり、特殊な試薬を使うために、検査できる医療機関が限られているのが現状です。
当院では検査可能ですが、判定日の関係から予約が必要な検査となっています。
Q:保険はききますか?
パッチテストは保険適用の検査です。
検査する金属の種類によっても異なりますので、詳しくは当院にお問合せ下さい。
重度の腋窩多汗症に対するボツリヌス療法について
Q:重度の腋窩多汗症ってどんな病気ですか?
発汗が我慢できず日常生活で頻繁に支障があるほど、ワキの下に汗がたくさん出てくる病気です。
Q:どんな治療法がありますか?
主に塩化アルミニウムなどを有効成分とする外用薬を塗る方法や、注射薬をワキの下に注射する方法(ボツリヌス療法)などがあります。
Q:ボツリヌス療法について教えてください?
ボツリヌス菌が作るたんぱく質を有効成分とする薬をワキの下に注射していく方法です。ボツリヌス菌そのものを注射するわけではないので感染の心配はありません。1回注射すると効果は4~9ヶ月に渡って持続します。
さらに詳しい情報は下記ホームページでご覧いただけます。
Q:保険治療は出来ますか?
2012年11月より重度の腋窩多汗症に対して健康保険が適用になりました。
ただし、重度の方のみの保健適応であり、ワキの汗に悩む方すべてに健康保険が使える訳ではありません。
エピペンについて
Q:エピペンって何ですか?
エピペンとはアナフィラキシーが現れた時に、医療機関で治療を受けるまでに自己使用する補助治療注射薬です。
Q:アナフィラキシーとは何ですか?
アナフィラキシーとは短時間に全身に現れる激しい急性のアレルギー反応で、数分から数十分以内に呼吸困難になったり、血圧が低下し意識障害などのショック症状(アナフィラキシーショック)を起こし、時には死亡に至る事もある重篤なアレルギー反応です。
Q:どういう時にアナフィラキシーを起こすのですか?
卵・牛乳・小麦・そば・ピーナッツなどの食べ物を食べた時や、スズメバチ・アシナガバチ・ミツバチなどの昆虫に刺された時に引き起こされます。まれに薬を飲んだ時にも生じます。
Q:アナフィラキシーショックの治療はどのように行われるのでしょうか?
ただちにアドレナリンを投与する必要があります。
アナフィラキシーショックの進行は非常に早く、症状が生じた時に医療機関にたどり着くまでに時間がかかる事から、適切なタイミングでアドレナリン投与を出来ない事がほとんどです。そのためアナフィラキシーショックのリスクの高い方はアドレナリン自己注射薬を携帯し、万が一の時には自己注射することが望ましいと考えられます。
そのアドレナリン自己注射薬がエピペンです。
Q:エピペンはどこで購入出来ますか?
専門の医師の診断と処方箋が必要で、当院で処方出来ます。
なお、2011年9月より、健康保険が適用になりました。
さらに詳しい内容は下記ホームページで御覧頂けます。
アトピー性皮膚炎について
Q:アトピー性皮膚炎とは、どういう病気なのですか?
アトピー性皮膚炎とは増悪と寛解をくりかえしながら、強いかゆみを持った湿疹を主病変とする疾患です。
気管支ぜんそくやアレルギー性鼻炎・結膜炎を持っている人やIgE抗体を産生しやすい人に発生しやすい傾向があります。
Q:主な合併症を教えてください。
顔面に症状が強い場合には白内障や網膜剥離といった合併症があるので注意が必要です。
Q:基本的な治療法を教えてください。
治療の基本には3つの柱があります。
まず第1は皮膚の炎症制御です。それには外用剤を使います。外用剤はいろいろな強さを持ったステロイド剤を使い分けていきます。またステロイド剤ではないタクロリムスという免疫抑制剤もあります。
第2はかゆみの制御です。かゆみをひきおこすヒスタミンの遊離を抑えるためには内服を使います。
第3の柱は保湿を主としたスキンケアです。アトピー性皮膚炎の患者さんの皮膚は皮膚バリアー機能が低下している状態ですので、アレルゲンや微生物が入りやすい状態になっています。この状態は炎症ではありませんから炎症を抑えるためのステロイド剤を使う必要はありません。こういう所には保湿剤を使います。
Q:食事制限は必要でしょうか?
食事アレルギーが関与している例は一般に考えられているよりかなり稀です。
こどもの極端な食事制限は成長障害をひきおこすこともあります。たとえ食事アレルギーが関与している人でも食事制限だけでは治りません。食事制限はあくまで補助療法と考えるべきです。
Q:赤ちゃんにステロイド外用剤を使用しても問題ありませんか?
普通は何の問題もありません。ステロイド外用剤には強さにランクがあり、皮膚科専門医は赤ちゃんに使ってもよいステロイドを選択しています。ですから専門医から処方されたものなら安心してよいと思います。
Q:非ステロイド外用剤の方がよいのではないですか?
非ステロイド外用剤はステロイドが入っていないから安心と、言葉の意味から思いがちですが、これは大きな錯覚です。カサカサしたりジクジクした皮膚に使うと刺激が強すぎ、逆にかぶれたり皮膚のトラブルになりやすいのです。
ステロイド外用剤より非ステロイド外用剤がよいということではありません。
Q:生活上の注意点を教えてください。
入浴・シャワーにより皮膚を清潔に保ち、室内も清潔に心がけ、適温・適湿の環境を作りましょう。また規則正しい生活を送り、暴飲暴食を避け、刺激の少ない衣服を着用しましょう。爪も短く切り、ひっかきキズによる皮膚障害を生じないよう注意しましょう。
水いぼについて
Q:水いぼとはどんな病気ですか?
正式には伝染性軟属腫といい、ポックスウイルス群に属するウイルス感染による皮膚病で、径1~5mmほどの水っぽい“いぼ状のもの”が体のいたる所に出てくる病気です。
アトピー性皮膚炎などの乾燥傾向のある皮膚では、ひっかいた時つぶれてウイルスがばらまかれ一気に何十個にも増えることがあります。水いぼ自体はかゆくないのですが、湿疹がある、かゆい所にウイルスがくっつきやすいため、皮膚をかいた時、水いぼがつぶれてウイルスがばらまかれた形になり広がります。
Q:水いぼの治療はどのようにするのですか?
最も一般的には水いぼ摂子という専用のピンセットでつまみとる手技が行われます。中途半端に自分でつぶすと、逆にウイルスをばらまくことになります。ですから専門医で確実にとってもらうことをおすすめします。
とる際、多少痛みがありますが、数個であればあっという間に終わりますし、痕(あと)もほとんどの場合残らないので、早いうちにとって治療するのがいいでしょう。
水いぼは放っておいてもまれに自然に治ってしまうこともあるので、以前には放っておいてもよいとの見解も一部あり、学校の現場が混乱したことがありました。
そこで「日本臨床皮膚科医会」が平成16年12月に、水いぼは周囲の小児に伝染することを考慮して治療をするという統一見解を出し、さらに平成20年6月「日本小児皮膚科学会」も同一の考えを示し、今ではこの考えが両学会の共通見解となりました。
Q:スイミングスクールに通っているのですが、水いぼがある時、プールに入ってはいけないのですか
水いぼは、プールで肌と肌がぶつかったり、ビート板や浮き輪などでこすれてつぶれたりして、人から人にうつってしまいます。
ですから、できるだけしっかりとってからプールに入りましょう。
水いぼはすぐに治療でとれますから早めに専門医へご相談ください。
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